高さ18.3㎝。長さ14.2㎝。胴径13.3㎝。重さ714.3g。
湖南省の長沙付近に隋〜五代に栄えた長沙窯は、丈夫で実用できる三彩陶を造って、日本・朝鮮・インドネシア・イラン・エジプトまで輸出される程の人気を得ました。
本品は「釉下彩」という、素地に絵を描き上に施釉する、後の青花(染付)の元となる技法で創作。
中でも本品は草創期の技法の作です。
青釉の一部分だけ削り取って、そこに茶色の釉を点彩するという手間をかけて「美春寄艶」の4文字を描いています。
文字入りの物は、博物館や美術館が優先的に購入を図るので、こうして民間に出る事が、現地でも稀な事です。
劃花の後に別の釉で文字を入れるのは量産には向かない上に、釉薬が混ざり合ってしまう危険が多いから、製作者に嫌われて遺品が少なく稀品なのです。
これらは陶磁の研究者には周知の事なので、真正品が貴重化し、影をひそめてしまった様です。
実用品だった為に完器の遺例が少なく、それに近い物が入手できる様になったのは1980年以降です。
本品は写真3番目の首から胴に掛けての緑がかった部分、他、口部に僅かが修理箇所になります。
桐箱入り。