高さ35.5�僉Ｆ昂�23.2�僉�重さ2008.4g。
蓋に３つの鈕の有る酒壺。
酒壺の中でも胴径の丸い物を鍾と呼びます。
本品は鋳造品ですが、器壁の厚みが３〜５ミリしか無く、今日の鋳造技術ではこんなに薄く均一に銅のこの大きさの鋳造品を創る事が出来ません。
後世の複製品は皆器壁を厚く造ってあるので、これは古代人の超絶技法です。
胴の左右には太古の荒ぶる神饕餮の顔を把手代わりに貼り付けてあります。
胴には３状の、わずかに凹面になった無文の帯が巡っています。
これは鋳造後に改めて研磨した為になっているのです。
本品が高貴な人の目の前に置かれた高級品である事を示す一つの証拠です。
往時はこの無文の帯は金色に光っていました。
《複雑に絡み合う蟠螭紋の見事さ！》
本品が製作当時に主人の威勢を見せつける道具だったろう事は、無文の帯と帯の間に幾何学紋風にデザインして彫ってある蟠螭紋の見事さで判ります。
これは特殊な道具と幾何学的な知識とが揃わないと描けない図紋です。
複雑極まりないこの図柄は、春秋戦国時代〜前漢には漆器や布地類に迄も描かれますが、後漢には跡を絶ちます。
桐箱付き。
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